ADHDが成功するための7つの習慣

ADHDが生活改善を目指しています

またやった:山登りの待ち合わせ場所に行くと弟がスマホをどこかに置き忘れてきていた

f:id:subjunctive_past:20210117210317j:plain

これは弟の話。

今日は弟と約束して近郊の低山に山登りする予定だった。待ち合わせの駅に到着したら、弟からうっすら酒のにおいがした(弟は休日は朝から一日中薄暗く静かな部屋で弱い酒を飲んで眠たくなったら眠るという生活をしている)。

発達障害と山登りの相性はいいと感じるので休日は山に登ることにしている。弟と休みが会えば弟を誘う。

陽の光を浴びて静かな山の中を数時間歩くと聴覚過敏や視覚過敏で疲れた日常が溶けてゆく感覚がある。休日に少し負荷の強い低山に登ったり、自然の中をハイキングしたりすることが体調にもメンタルにもよい。自分のためにもよい効果があるし、弟のためにもなる。

弟は自分にもまして非定形発達者だ。ずいぶん前だが結婚生活が破綻し、何度か転職を繰り返し、いまは以前と比べると給料の安い仕事についている。日々微弱な快感を得るために昔と比べると相当弱い酒を以前よりは少量飲んで日々をやり過ごしている。

弟は以前は本格的な登山家だった。体力づくりのために毎週のように関西の低山を歩いていた時期があった。シーズンに何度か北アルプスの標高の高い山に登ったり、週末夜行バスで移動し富士山にも何度か登ったことがある。

結婚生活が破綻したあとは登山にのめり込み気晴らしをし、当時勤めていた会社も待遇がよく給料も高かったし休みもきちんと取れた。住んでいたのも山道具の店が何軒もある街中まで徒歩で行ける天井の高いマンションに住んでいた。

今から考えると、離婚はしたものの仕事は順調で弟の調子は良かったのだ。

社内不倫が原因で退職したあと、弟の調子はどんどん悪くなってゆく。

まず酒量が増えた。帰宅してからビールを飲み始め、夜が更けるにしたがって焼酎に変わる。眠りも浅かったようで、真夜中に目が覚めるとビールか焼酎、明け方に目が覚めるとまたビールか焼酎。

こんな生活をしていてまともに会社に行けているはずがない。これが分かるまで2年かかってしまった。気がつくと弟は、会社に行かず朝から酒を飲み、生活費はクレジットカードでキャッシング、のちに消費者金融で借金を繰り返し。会社に行ける時期が少しあってもすぐまただめになった。

そして、ある日母親のもとに上司から電話があった。このままでは退職してもらわなければならない。会社に消費者金融から何度か電話があった。一度お母様と対応の相談がしたいと。

母親は正社員の身分を捨ててほしくなかったようで、上司に頭を下げ生活の改善、出社を約束した。それでも弟は会社に行けなかったのだ。

この後、弟がまともに仕事に通えるようになるまで2年かかることになる。家賃の高い街中のマンションを引き払い郊外の安くて小さなアパートに引っ越しさせた、借金の返済と家賃、日々の生活費は母親とわたしが二人で負担した。

そのあいだも弟はほとんど何も食わずに飲み続けた。

そして、弟は山登りの体力のほとんどを失った。

かつてあんなに楽しみにしていた山に登るための交通費を捻出できなくなったのだ。朝から晩まで弱い酒を少しづつ飲んで、失った結婚生活と行きたいのに行けなくなった山のことだけを考え酒を飲み、静かにゆっくりと体力を失っていった。

弟が山に登る体力を失ったことに気づくのにも時間がかかった。私が山登りを始めたこの数ヶ月だ。この数年、不足している生活費を補填するために毎月弟と会って金を手渡ししているのだが、このときは一緒にどこか散歩して、静かなバーで飲むだけだったので気づかなかったのだ。

数ヶ月前はじめて一緒に低山に登ろうとしたとき、弟は1キロも歩けなかった。前日飲みすぎたからか、朝から飲んだからか体調が悪かっただけなのだろうと思ったのだが違った。

飲んで山の話をしていると、以前は簡単に登った山なので、自信たっぷりに弟はあの山は初心者コースだからお兄ちゃんでも大丈夫と思う。余裕で登って降りてくることができる。下山したら一緒にどこかで酒を飲もうと言ったのだ。

しかし、3時間もあれば下山できると弟が請け負った山から降りてくるのに6時間かかった。

山登りを趣味にしている高齢者にも、腰のあたりまでしか背のない子どもたちにもどんどん抜かされた。弟の顔は険しく、荒い呼吸を整えながら、重そうな脚を一歩づつ前に出していた。

弟はもう以前のような登山家ではないのだ。

その日、弟も自分でも気づいたようだった。次からは大きな口を叩かなくなった。簡単にではないが、言いにくそうにその山は自信がないというようになった。たとえ低山でも。

今日は中級者用の山に登る約束をしていた。しかし待ち合わせ場所に行ったとき、弟は酒のにおいをさせていた。

そして、弟は今日は山じゃなくって近くのハイキングコースを歩く?と聞く。

朝から飲んだから自信がなくなったんだろうと思い、いいよ、じゃあハイキングコースのほうを歩こう、それでも8キロは歩けると言った。

ハイキングコースの入り口までバスに乗り、歩き始めるとやはり山とは違って軽快に歩み出せる。

杉の枯れ枝が敷き詰められた道は柔らかく、杉木立の合間から柔らかい冬の朝の光が差し込み、風の少ない山道には弟と二人が歩く足音と、ときおり聞こえてくる野鳥の泣き声しかない。

そして、始めての休憩の場所で弟が言ったのだ。

お兄ちゃん、携帯電話がない。

朝待ち合わせした駅で立ち食いそばを食ってそのときにはあった。バスの中でも携帯電話は見てないから立ち食いそばの店と思う。

私の携帯電話でそのそば屋に電話したが見当たらないという。

バス会社にも電話した。

まだお届けありません。

午後にも二度づつ問い合わせたが結局弟のスマホは出てこなかった。

ハイキングコースは二人で歩いた。しかしスマホは出てこなかった。下山した駅で夕方二人で少し飲み食いした。気を遣わせないようにしているのか、自分でも気を紛らわせようとしているのか、スマホの話はでなかった。

ハイキング中に弟は、スマホを置き忘れるのは初めてじゃない。一度は通勤電車の中、ズボンのポケットに入れておいたのがいつの間にか滑り落ちた。それは駅に届けられていた。二度目は、自宅近くのスーパーで買い物をしていて買い物を袋に詰める台の上に置きっぱなしで帰ってしまった。これも電話したらあったと言った。

出てくるかもしれないし、出てこないかもしれない。

弟がスマートフォンを置き忘れた理由を考えてみる。

  • 朝から酒を飲んで注意レベルが下がっていた
  • いつもと違う山登り用のズボンを履いておりポケットが浅かった
  • 乗ったバスが暖かく酒も飲んでいたのでうたた寝をした
  • 降車予定のバス停で慌てて下車したので座席を確認しなかった

弟がスマホを忘れた理由に対して思うことと対策を考えてみる。

朝から酒を飲んで注意レベルが下がっていた

これは弟の場合常にある。微弱な快感を弱いアルコールで脳に入れ続けることで、過敏な感覚を鈍麻させ日常生活をどうにか乗り切っている。 

いつもと違う山登り用のズボンを履いておりポケットが浅かった

着ている服が変わるとどこにポケットに物を入れるのかが変わったり、ポケットの浅さが変わったりするので、臨機応変に対応する能力は弟にない。もちろん私にも。私は常にサコッシュを首から下げて、外出時に出し入れする手荷物はすべてサコッシュに入れることで落とし物、忘れ物は回避している。私はこの方法でものを置き忘れることはなくなった(泥酔時以外)。弟がサコッシュを使うかどうかは分からないが、気に入ったものでなければ常時携帯することはないので、今度買い物に行ったときに気に入るものを選んでもらうことにする。

乗ったバスが暖かく酒も飲んでいたのでうたた寝をした

酒で少し酩酊した状態で寒いバス停から温かいバス車内に入って10分以上座席に座っているとうたた寝してしまうのは理解できる。発達障害者は疲れやすいので、気持ちよくバスでうたた寝できるのならこの機会は積極的に活用するといい。サコッシュを常時携帯するようになれば、うたた寝はしてもいいだろう。今日は私が弟と一緒にいたので寝過ごすことはなかったが、寝過ごしてしまうようなことが何度もあればそれは別に検討すればよい。

降車予定のバス停で慌てて下車したので座席を確認しなかった

電車でもバスでも慌てて下車するときに、忘れものがないかどうか確認しないというのは問題。自分も、電車の中で耳栓をしてなにか過集中になることで車内の聴覚刺激や視覚刺激から逃れようとする癖がある。また外界を遮断するために耳栓をして目を瞑っていることが多いので、乗り越してしまったり、慌てて下車したりすることがある。これ自体は回避するのが困難なので、やはり座席を確認せずに慌てて下車しても忘れ物が発生しないような仕組み作りが効果的だと思う。

まとめ

  • 弟が休日の朝から酒を飲むのは当面否定しない
  • どんな服を着ていても忘れ物が起こりにくいサコッシュを今度一緒に選ぶ
  • 電車やバスでうたた寝することは寝過ごさない限り否定しない
  • 電車やバスで慌てて降りても大丈夫なようにサコッシュをもたせる

来月も弟と山に登る。

 

 

またやった:バス車内の足元にコンビニの買い物袋を置き忘れた

f:id:subjunctive_past:20201124224351j:plain

京都市内で仕事終わりに馴染みのバーに飲みに出て、帰りに四条西洞院セブンイレブンで買い物をした。その買物袋を京阪四条に向かうバス車内の足元に忘れた。

手に持っている荷物はまず間違いなく電車やバスに置き忘れてくるので、予定通りとも言える。

日頃持ち歩いていないその日に買ったもので、網棚、足元、隣の座席に置いたものは95%以上の確率で置き忘れる。

人生で何度同じ間違いを繰り返すつもりなのか。自分を信じてはいけない、というか必ず忘れる人間の手にものを託すのは託した人間のミスである。

軽微とはいえそのときは凹むので記録のためにここに記し供養する。

置き忘れた商品は以下の通り。

このうちキッチンペーパーとサランラップはリュックに入れたので無事持ち帰ったが、それ以外は袋に入れて手に持っていたのでバスの中に置き忘れた。2000円弱の損失。

夕食と朝食は乗り換え駅構内で買い直さなければならなかったのでその無駄に凹んだ。スプーン、ティーバッグ、ハンドクリーム、メモ帳は近いうちに買い直さなければならず改めて無駄を思い知らされることを予想して気分が重い。

カバンや財布を車内に置き忘れたときには取り戻せない場合に生活が詰むので時間がかかっても鉄道会社に連絡して取り戻す。鉄道会社の忘れ物センターもアプリが用意されていることが増えたので以前よりは手続きがスムーズになった。

去年、ストレスの多い時期に前夜飲みすぎて、電車で出勤するときに気分が悪くなり、サコッシュを首から外して網棚の置いてしまいそのまま下車したことがあったが、これはすぐアプリで手続きし、当日のうちにそれほど遠くない駅で取り戻すことができた。

しかし食べ物の入っている袋などは取り戻した段階でもう腐敗もしているだろうし、2,3000円程度なら手続きの手間や時間も面倒なのでその場で諦めてしまう。今回もすぐ諦めた。

タクシーは降りるときに運転手が声をかけてくれるし、降りたあとで必ず自分が座っていた座席を確認する習慣がついているので忘れ物をすることはほとんどなくなった。

泥酔している場合は別で、泥酔しているときには電車で帰宅することはなく確実にタクシーで帰宅するが、この1年でも、作ったばかりの遠近療法メガネ、自宅の鍵をなくしている。これは発達障害特性というよりは泥酔の問題なので別に検討する。

今回の忘れ物ではいくつか考えられる理由があるので以下に列挙する。

  • バーでウイスキーを3杯飲んだので注意レベルが低下していた
  • 京都市内から大阪郊外に引っ越して2週間くらいだった
  • 引越し前はコンビニの買い物後は徒歩で帰宅していた
  • 引越し先の大阪郊外には最寄り駅から自宅までコンビニがない
  • 引っ越ししたてなので自宅に食材の買い置きがなかった
  • 京都にも緊急事態が宣言され時短営業でバーが8時までだった
  • 8時までにバーで飲みたかったので事前に食事を済ませていなかった
  • 引っ越し先に日用品が不足していたので当面の買い物が多かった
  • リュックに入らない量だったので買い物袋を手に持っていた
  • 日頃乗らないバスで四条西洞院から京阪四条までバスに乗った
  • 乗ったバスの足元に買い物袋を置いた
  • バス車内でスマホをさわってTwitterでツイートに集中していた
  • 耳栓をしていたので車内アナウンスが聞こえなかった
  • 降りるバス停に到着して急いでバスから降りた

以下に理由ごとの対応策を検討する

バーでウイスキーを3杯飲んだので注意レベルが低下していた

引っ越したばかりで生活のルーチンが固定されていないのだから、バーに行ったあとで買い物をするのはハードルが高かったようだ。そもそもコロナ期でバーに行く頻度は少なくなっているが、バーに行ったあとで買い物するのは避けるほうが賢明か。そもそもバーに行ったあとで買い物しなければならない状況を回避する方策をとるほうが良い。

 

京都市内から大阪郊外に引っ越して2週間くらいだった
引越し前はコンビニの買い物後は徒歩で帰宅していた
引越し先の大阪郊外には最寄り駅から自宅までコンビニがない
引っ越ししたてなので自宅に食材の買い置きがなかった

これが最大の理由。これまではバーのあと買い物袋を持って公共交通機関に乗ることはなかったので迂闊であった。引っ越ししたばかりで生活がルーチン化していないのに、飲んでイレギュラーな買い物をして手に袋を持ってバスに乗ったので忘れた。

引越し先に配達してくれるネットスーパーは1つだけで、配送料がこれまでよりずっと高い1回1000円なので使い控えていて、生鮮食料品や日常品の買い物ルーチンが出来上がっていない。

忘れ物をして2000円損害を出すくらいなら1回1000円の配送料を払ってもネットスーパーを使うほうが賢明。やっぱり食材も日常品もネットスーパーを使うことにする。

京都にも緊急事態が宣言され時短営業でバーが8時までだった
8時までにバーで飲みたかったので事前に食事を済ませていなかった
引っ越し先に日用品が不足していたので当面の買い物が多かった

リュックに入らない量だったので買い物袋を手に持っていた

これは生活がルーチン化してないのとは別の理由。生活がルーチン化していても買い物をして手に荷物がある場合はあるので、リュックに入る量の荷物を持つことに注意する。

日頃乗らないバスで四条西洞院から京阪四条までバスに乗った

日頃乗らない電車、バスに乗るのは楽しいが、バーに行ったあとはやめる方が良い。これまではこういうことはしていなかったが、いまバーは時短営業で9時や8時までに閉店し、そのぶん開店が早いところが多い。だから早めに飲み始めることが多く、自分のこれまでのパターンから逸脱した時間に飲み始めて飲み終わる。これに対応できていないからこういうことが起こる。

時短営業中のバーの利用方法や前後の行動ルーチンは別途検討の必要あり。今後の課題とする。京都の街中に住んで少し離れたバーで飲んでいた時期には帰りはいつもタクシーだったので泥酔時以外に忘れ物はなかった。いまは大阪郊外に引っ越して近くにバーはないのだから、京都市内のバーで飲んで大阪郊外まで帰宅することは今後もありえる。

いまの家までタクシーで帰ったことはこれまで数回。京都市内のバーで飲んでまだ電車のある時間帯に家まで直接乗ったこと。年末に大阪梅田で食べながら飲んだので早い時間帯に閾値を超えてしまい、同行者を放置して梅田から大阪郊外までタクシーで帰宅し即寝。乗り換え駅周辺の店で飲んでまだ電車のある時間帯にタクシーで帰宅など。最初の2回はそれぞれ1万円以上のタクシー代を払っている。

乗ったバスの足元に買い物袋を置いた

バス車内でスマホをさわってTwitterでツイートに集中していた

耳栓をしていたので車内アナウンスが聞こえなかった

これらは過去に何度もあったことなので今回の引っ越しやバーで飲んだあとだからという理由とは関係ない。飲んでいないときでも、ルーチン化した日常を送っている時期でも何度も同じことをしている。

結婚していた時期に元奥さんが作ってくれる弁当を手に持たせてもらって電車で通勤しているときに弁当箱の入った袋を都合10回以上電車の中に置き忘れた。最後には元奥さんの子供時代からずっと使っていたという思い出の弁当箱まで車内に置き忘れた。鉄道会社に連絡して必死で探したが出てこず凹んだ。元奥さんも凹んだしそれを見た自分もさらに凹んで離婚の遠因の一つになった。

まず手に荷物を持たないことを徹底する。

携帯電話をあえて持たない時期も長かったが父親の入院をきっかけたに再び携帯電話を携帯する生活になっていることで電車、バスの中で本を読むことがなくなった。このため読書量が減っているがこれは別の問題なので改めて検討する。

そもそも過集中があるので電車の中でスマホを見たり、本を読んだりすると降りる駅で降りられなかったり、網棚、足元、隣の座席のものを置き忘れてきてしまうことは多い。スマホによる微弱な快感に依存している傾向が出ている。

降りるバス停に到着して急いでバスから降りた

電車、バスの車内では必ず耳栓をするようになってから車内アナウンスが聞こえづらいので起こるようになった問題。飲んでいなくても、スマホや本を見ていなくても、朝の通勤時間帯でも焦って下車したり、乗り過ごしてしまうことがある。眠いときには予想できるが全く眠くないときでも最近は加齢に伴いよく目が疲れるので目を瞑っていることが多いし、視覚情報を低減させるために目を瞑っていることが多い。車内で視覚情報を低減させること自体はストレス軽減のために有効なはずだが、昨年、一度作ったのに翌週にはなくしてしまった遠近療養のメガネを作り直すことで目の疲れは楽になるかもしれない。不規則な生活で睡眠不足もよくないのだろう。

以前バイブレーション付きのタイマーをポケットに入れて停車駅の直前に震えるようにしていたが、停車時刻を調べて毎回設定するのが面倒でやめてしまった。これは今後も継続性がないと思う。

以上が今回のまたやったリスト。失敗から学べるように自分のミスを可視化して生活改善に活用する試みです。

 

まとめ

  1. バーに行ったあとで買い物しなければならない状況を回避する 
  2. 食材も日常品もネットスーパーを使う
  3. まず手に荷物を持たないことを徹底する
  4. リュックに入る量の荷物だけを持つ
  5. なくしてしまった遠近両用のメガネを作り直す